看護師が足りない

看護師の仕事というのは、やりがいもあり、白衣の天使と言われるほど人々から尊敬と憧れを集める仕事で、とても素晴らしい仕事の1つです。

しかし現状の日本では、深刻な看護師不足に陥っているということは否めません。

この看護師不足という問題は、ずっと以前から続いている問題なのですが、一向に改善されないまま現在まで過ぎてきてしまいました。

とはいっても、20年前の看護師不足の要因と、現在の看護師不足の要因は異なっているといわれています。

20年前の看護師の不足要因は、「きつい」「汚い」「危険」という、いわゆる3Kと言われる仕事だったことや、給与が低いことが大きな理由でした。

この20年前の要因は、現在でも続いています。

というより、20年前よりももっと深刻になっているというのが、看護師の現状です。

今では看護師の仕事は、9Kと言われるまでになってしまいました。

9Kとは、20年前の3Kである「きつい」「汚い」「危険」に加えて、「休暇が取れない」「薬が手放せない」「給料が安い」「婚期を逃すもしくは遅れる」「規則が厳しい」「化粧ののりが悪い」です。

このような看護師の労働環境を考えると、看護師不足が生まれるのはやむを得ない状況とも考えてしまいそうですね。

また20年前と異なってきている看護師の不測の要因として挙げられるのが、2006年4月に行なわれた診療報酬の改定です。

これは、入院施設のある病院において、看護師の数が多いほど病院が受け取る診療報酬が増加するという仕組みのことです。

例えば10対1と言われるのが患者10人に対して看護師1人、また7対1と言われるのが患者7人に対して看護師1人ということです。

こういった数の割合で看護師を配置できたら、看護内容としても、看護師への負担という面でも、ずいぶん楽になることでしょう。

しかしこの診療報酬の改定が行われたことで、実際に全国の各地で看護師の争奪戦が行なわれるようになってしまいました。

そして、体力のある大規模な病院は看護師を無事確保することができ、そのまま病院を継続させていっているのですが、中小の病院や個人の病院では看護師数を確保することができず、やむを得ず廃院に追い込まれていっているところもあります。

そして廃院となった病院に通っていた患者は、他の周囲の病院へと通うこととなり、その病院の患者さんの数が増えて看護師の負担は増えるという悪循環を生むこととなりました。

ただし、日本の看護師数の数は今までと同じならそれなりに足りていたのかというとそうではなく、OECDの資料によると、100床あたりの看護師数では、アメリカは233人、フランスでも91.1人であるのに対し、日本では54人となっています。

個の数は先進国の中では、最低基準の人数でもあります。

ですから、質の良い医療を細かいところにまで行き渡らせ、看護師にもゆとりを設けて看護師全体の負担を下げることが必要だとするという点では、非常に有益な法改定となりました。

しかし一方で、新たな看護師数の減少という問題を生んでしまったというのも現実です。

ですから、政策を打ち出した国としては、この新しい看護師不足の問題にも取り組んでいかなければならないという責任があります。